どうなってる?電気代?今まで・これから

こまめに月々の電気代を気にしておられる方はお気づきのことと思いますが、昨年末あたりから電気代がめちゃくちゃに高くなっています(東京電力管内よりはだいぶましですが)

電気の使用量は昨年同月よりも減っているのに、請求金額は高くなっているという逆転現象が起こっています。

電気料金の値上がりが起きている「3つの原因」

昨今の電気料金の値上がりが起きているおもな3つの要因は以下のとおりです。

  • 燃料価格の高騰
  • 国内の電力供給不足
  • 再エネ賦課金の単価上昇

1.燃料価格の高騰

電気料金の高騰に大きな影響を与えているのが、天然ガス(LNG)や石炭の「燃料価格の高騰」です。

天然ガスの価格は2021年7月には1081円/mmbtuだったものが、2022年6月には2285円/mmbtu、と約2.1倍となっています。また、石炭も2021年7月には13.49円/㎏でしたが、2022年6月には38.13円/㎏とこちらは約2.8倍となっています。

石炭や天然ガス(LNG)の価格が電気料金に影響する理由

2020年の日本の電源構成は以下のとおりです。

★火力発電・・・76.3%  ★再生可能エネルギー発電・・・19.8%  ★原子力発電・・・3.9%

さらに、火力発電に使用する燃料の内訳は以下のとおりです。

★天然ガス(LNG)・・・51.1%  ★石炭・・・40.6%  ★石油・・・8.3%

このように、日本は主力の火力発電の燃料のうち約90%を天然ガス(LNG)と石炭で賄っています。これだけ天然ガス(LNG)と石炭への依存度が高い状況では、これらの燃料の価格高騰は電気料金の上昇に大きく影響します。

石炭や天然ガスの価格が高騰している原因は?

01.新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界的に経済活動が停滞しました。その流れで、2020年4月には化石燃料の価格が一時的に下落しています。徐々に経済活動が回復したものの、今度は化石燃料の需要増加に対して供給が追いつかない状況となりました。これにより、需給バランスが崩れて価格高騰に繋がりました。

02.天然ガスの需要増加による価格上昇

天然ガス(LNG)は、他の化石燃料に比べるとCO2排出が少ないのが特徴です。世界的に脱炭素が叫ばれるなか、従来の石炭や石油から天然ガスへ切り替える動きがみられたため、天然ガスの需要が増加し、価格の上昇に繋がっています。

03.ウクライナ情勢の影響

ロシアによるウクライナ侵攻をうけ、EUやアメリカが経済制裁を行なっています。ロシアは石油・石炭・天然ガスのいずれの輸出額においても世界上位の国であったため、ロシアから化石燃料の輸出が制限されたことで、価格高騰に繋がっています。

04.円安の影響

2022年度は、円安も石炭や天然ガスの輸入価格高騰に影響しています。USドル / 円の為替レートにおいて、2021年6月は「110.1USドル / 円」でしたが、2022年6月は「133.9USドル / 円」まで上昇しています。

このように、複数の原因が重なって、石炭と天然ガス(LNG)の価格が高騰しており、その影響で電気料金が上昇しています。

2.日本国内の電力供給不足

日本国内の電力供給量をみると、2010年を境に減少していることがわかります。なぜ国内の電力供給量が低下傾向なのか、その原因を挙げていきます。

原子力発電の停止による影響

2011年の東日本大震災のあと、原子力発電の停止が相次ぎました。再稼働している原子力発電所もありますが、日本の発電全体に占める原子力発電所の割合が多くなっているなかで大半が停止したため、全体の電力供給にも影響を与えました。ちなみに、2010年は日本の発電全体の25%を占めていた原子力発電所は、2020年時点では3.9%まで低下しています。

火力発電の縮小

原子力発電所だけでなく、火力発電所も規模を縮小しています。原子力発電所が減少しているにも関わらず、火力発電まで減少している理由はおもに以下の2つがあります。

  • 古い火力発電所の停止
  • 再生可能エネルギーへの転換
古い火力発電所の停止

2016年の電力自由化によって、多くの小売電気事業者が参入しました。これにより、電気料金の競争が激化し、大手電力会社は古い火力発電所は採算が合わないとして停止化を進めました。

再生可能エネルギーへの転換

世界的に脱炭素化の風潮が広がるなかで、CO2排出が少ない再生可能エネルギーへの転換の動きが進んでいることも、火力発電所の縮小の要因の1つです。

電力の供給不足が電気料金上昇の原因に

ここまで紹介したような要因によって、火力発電所や原子力発電所が縮小したことで、全体的な電力の供給が減少しています。電力の需要が減少しているわけではないので、需要と供給のバランスがとれず、電気料金の上昇に繋がっています。

3.再エネ賦課金の上昇

再エネ賦課金の上昇も、電気料金の値上がりに繋がっています。

再エネ賦課金とは

再エネの普及を目指すために、政府は太陽光発電など再生可能エネルギーで作られた電気を電力会社が買い取る「FIT(固定価格買取制度)」を実施しました。

再エネ賦課金は、再エネ由来の電気を電力会社が買い取るための費用として、電気の利用者(一般家庭や企業)が電気料金の一部として負担している料金です。

再エネ賦課金の単価の推移

2010年代はFITを利用した産業用太陽光発電が急速に普及しました。再エネ賦課金の単価は、2012年は0.22円 / kWhでしたが、2022年には3.45円 / kWhまで上昇しています。

単価でみれば大きな差ではないようにみえますが、とくに大量の電気を使う企業では、再エネ賦課金だけでこの10年間のうちに数十万円から数百万円の上昇に繋がっているところもあるでしょう。この再エネ賦課金の値上がりも、電気料金の上昇の一因となっています。

2023年は政府の政策で電気料金が一時的に下がる見込み

2022年12月まで電気料金は値上がりし続けてきましたが、政府の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」が実行に移されました。これにより、2023年1月から9月まで、燃料費調整額が下記のように値引きされます。関西電力のお知らせはこちらから。

  • 【低圧契約(おもに家庭)】値引き単価:7円 / kWh(9月のみ3.5円 / kWh)
  • 2023年2月にようやく一旦落ち着くことになるでしょう。ただし、特別高圧は対象ではないため、この制作による電気料金の値下がりは見込めません。

    注意点としては、政府の補助は「2023年1月使用分から9月使用分まで」と期間が定められていることと、次の見出しで説明する「電力会社の電気料金値上げ」によって、電気料金の値下がりは一時的なものになる見込みです。

    家庭・企業ともに、2023年4月から再度値上がり見込み

    政府の政策によって一時的な電気料金低下が見込まれています。しかし、昨今の燃料・卸電力市場価格の高騰によって電力会社の状況は芳しくない状況が続いているようです。実際に、大手電力会社は経済産業省に電気料金値上げを申請しており、許可されれば2023年4月から6月にかけて、また電気料金が跳ね上がることが予想されます。こちらも関西電力からお知らせがあります。

    ながながと説明いたしましたが、一旦は落ち着く電気代もまた、しばらくすると再び値上がりとなりそうです。今まで以上に無理のない範囲内での節電を意識することが唯一の対策なのかもしれません。

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