お久しぶりです。
2023年の1月分の電気料金、ものすごく高くなっていることはお気づきでしょうか?Twitterをはじめ各種SNSでも#電気代高い、がトレンドに上がるほどの事態となっています。
昨年の年末年始は大雪で暖房等に使用する電力量は多かったにもかかわらず、電気の使用量は前年同月と変わらない、もしくは節電して下がっているくらいなのに電気代は約1.5倍ほどに高騰しています。特にオール電化のご家庭はベースとなる使用量が多いので驚くほどの請求がきてしまっている事態です。もちろん同じように、ガス・灯油等の燃料も値上がりはしていますのでどのご家庭も光熱費の値上がりに憂慮されていることと思います。
値上がりの原因をわかりやすく説明させてもらいます。
一般的な電気料金は、次のように計算されて請求されます。
- 基本料金(最低料金)+電力量料金±燃料費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金
上記に消費税が加算されます。
上記4項目のいずれかが値上げされると電気料金が値上がりします。電力会社・電気料金プランによっては上記以外の項目が加算されることもあるので、契約書を確認してみましょう。「電気料金プランは基本料金(最低料金)+電力量料金±燃料費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金」で構成されています。基本料金(最低料金)と電力量料金は、各電力会社が決定する項目です。昨今、電力市況の悪化や電力需給逼迫、2022年3月以降のウクライナ情勢の影響などさまざまな理由で電力調達価格が悪化し、電気料金の値上げを余儀なくされた電力会社もあります。また、燃料費調整額の上限を撤廃したり、独自の燃料調整費を導入したりする電力会社もあります。
上述にあげたように、電気料金の値上げの原因の一つとして、燃料費調整額も挙げられます。燃料費調整額がなぜ値上がりしているのか原因と推移を見ていきましょう。
2021年9月から、関西電力など各社の電気料金が値上がりしつづけています。主な原因は、ウクライナ情勢などによる石炭や液化天然ガス(LNG)の輸入価格高騰の影響で、燃料費調整額が値上げされているためです。
「なぜ電気料金の値上げに石炭や液化天然ガスが関係しているの?」と疑問に思う方も少なくないでしょうが、日本国内の電気の”発電事情”が深く関係しています。
日本の電気事業者が発電している電気の多くは石炭や液化天然ガス(LNG)などを燃料とした火力発電からのもの。全体の発電電力量に対して、石炭は29.7%、液化天然ガスは37.6%も占めていて、石炭と液化天然ガスに依存していることがわかるでしょう。さらに、ほとんどの燃料を海外からの輸入に頼っているため、石炭や液化天然ガスが高騰すると、電気料金も比例して値上がりしてしまうというわけです。燃料費調整額は上限が設定されており、達すると、それ以上を電気料金に反映できなくなります。ただし、すべての電気料金プランに上限が設定されているわけではありません。電気料金プランのうち、法的な制限が設けられている「従量電灯」など規制料金のプランは上限が設定されています。電力自由化以降に提供が始まった自由料金のプランは、燃料費調整額の上限設定に関しての法的な制限がありません。燃料費調整単価自体はしばらくマイナスの金額を保っていましたが、2021年1月から次第に減額されていき、2022年2月にはプラスの金額に転じました。2022年9月には燃料費調整額が上限に達したため、以降2円24銭(16Kwh~)単価を保っていましたが、政府の負担軽減策「電気・ガス価格激変緩和対策事業」が適用される2023年2月分から、再びマイナスの金額となっています。
もう一つの電気代の値上げの原因として「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」が挙げられます。
そもそも再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、太陽光発電・風力発電・地熱発電・水力発電などの再生可能エネルギー発電を普及・拡大させることを目的に、電力会社が再生可能エネルギーを買い取る際の費用を消費者が負担するもの。年度ごとに経済産業省が算定を行っています。
2022年3月25日、経済産業省資源エネルギー庁が2022年5月分から2023年4月分までの再生可能エネルギー発電促進賦課金単価を3.45円/kWhに決定したことを発表。昨年よりも0.09円/kWh値上げされたことになります。
「電気料金の値上げに対して、今後政府は対策を取ってくれるの?」と気になっている方も少なくないはず。政府は家庭・企業の電気代による負担軽減策「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を実施しており、2023年2月検針分から適用されています。この適用は2023年9月検針分までと今のところされています。
ざっくりとまとめますと、今年の2月の検針分からは1Kwhあたり7円値引きしますよー、ってっことなんです。詳しくはこちら、関西電力のお知らせをご覧ください。負担の軽減はとてもありがたいことですが、我々のできる範囲内でさらなる節電の努力をしていくことも大切ですね。
ウクライナ情勢の早期安定と、電力料金の安定(同レベルにしてはいけないことではありますが,,,)を願いつつ、久々の記事更新とさせて頂きます。